工場の仕掛り数、製品の在庫数、売れ行きなどを項目別に見える化したい場面ってありますよね。そんなときにPowerBIのマトリックス表を使って、ヒートマップ的に在庫管理表を作成する方法を紹介します。
【本記事で得られること】
・PowerBIでマトリックス表の設定方法がわかる
・マトリックス表をヒートマップ的に見える化
・条件付き書式や合計の非表示方法がわかる
・作成したマトリックス表のエクスポート方法が分かる
PowerBIのマトリックス表は、階層設定や行と列どちらにも項目を設定したテーブルを作成でき、非常に便利です!
PowerBI マトリックスとテーブルの違い
PowerBIのデータ表示のビジュアルには、下図の通り、「マトリックス」と「テーブル」が用意されており、アイコンも似ています。まずは、そちらの特徴と違いを説明します。

◆PowerBIマトリックス表
【マトリックス】
・行、列どちらも項目を入れることができる。
・階層構造を持つことができ、
グループ化や展開、ドリルダウンが使える

◆PowerBIテーブル表
【テーブル】
・単純な表の作成しかできず、列にしか項目を追加できない
・階層構造は設定できない

シンプルな表はテーブルで十分ですが、行や列どちらにも項目を追加して管理したい場合や、階層設定をしたい場合はマトリックス表を使いましょう!
【結論】マトリックスは行だけでなく列に項目を追加でき、階層の設定もできる!
PowerBI マトリックス表の設定方法(在庫管理表の作成)
それでは、マトリックス表で在庫管理表を作成していきます。
使用するデータは、下記の「製品」「サイズ」「色」が載った在庫データです。こちらをPowerBIに取り込んでいる状態です。
◆使用するデータ

◆マトリックス表の作成
PowerBIのデータビュー画面の視覚化のビジュアルから
①「マトリックス」を追加
②行のフィールドに製品データを追加
③列のフィールドに色データを追加
④マトリックスの準備が完了!
値の入ってないマトリックスができました!

行や列には、複数のデータを入れることで、グループ化した階層設定も可能です。
⑤行にサイズデータを追加
※複数データを入れて階層設定できます。グループ化できるので、ドリルダウン、ドリルアップ機能を使えます。

次に値を入れていけばOKです。値は在庫数が欲しいので、今回はCOUNT関数を用いて色のカウントをメジャーで設定しました。
▶DAX関数で条件付きのカウント(COUNT関数)

作成した在庫数のメジャーを値のフィールドに入れると、マトリックス表の完成です!

ちなみに、列データはマトリックス表の行や列、値すべてに設定できますが、メジャーは値にしか設定できず、行や列には使えないのでご注意ください!
【結論】
・行、列、値のフィールドに各データを追加する!
・複数のデータ列を入れ込み、階層の設定ができる!
PowerBI マトリックス表の書式設定
このままのマトリックス表だと見栄えが悪いので、書式設定をして在庫管理表をヒートマップ化していきます。
今回説明する内容は下記の2点です。
・必要のない情報である小計や合計を非表示にする
・条件付き書式を設定し、在庫が多い項目を濃い色で表示する
それぞれ、詳しく解説していきます。
マトリックス表の合計、小計の非表示
マトリックス表を作成すると、デフォルトで小計や合計値の行や列が作成され、表示/非表示を切り替えたい場面があります。作成しているマトリックス表も合計があり、見難いので、非表示にしていきます。

小計、合計の非表示の設定方法は、
①ビジュアルの書式設定
②列の小計、行の小計をOFF

チェックを外して、OFFにすれば、マトリックス表から合計を非表示にすることができました!

ちなみに、このビジュアルの書式設定の画面で、文字サイズや次で説明する条件付き書式の設定などが可能です!
【結論】ビジュアルの書式設定から小計のチェックを外せば、合計を非表示にできる!
マトリックス表の条件付き書式の設定(ヒートマップ)
次に、マトリックス表に条件付き書式を設定し、在庫が多い項目を強調してヒートマップ的に見える化する方法を紹介します。
条件付き書式の設定方法は、セル要素の画面から設定できます。
①ビジュアルの書式設定
②セル要素を開く

ヒートマップ化したいデータを選んで設定します。
③設定の適用先に値のデータである「在庫数」
④背景色をON
⑤詳細な設定をしたい場合は「fx」ボタンをクリック

「fx」ボタンをクリックすると、詳細設定の画面が開きます。ここで、グラデーションや色の変更やなどの設定ができます。

マトリックス表に在庫数の多い、売れ残っている製品数を、赤色で表示した在庫管理表の完成です!

ちなみに、セル要素の設定画面では背景色の変更以外にも、
・フォントの色
・データバー
・アイコン
など様々な条件付き書式の見える化設定ができますので、試してみてください!
【関連記事】
▶DATEDIFF関数で日付間の差分を取得し、在庫管理表を作成
【結論】ビジュアルの書式設定の「セル要素」から背景色の設定が可能!
PowerBI マトリックス表のエクスポート方法
最後に、作成したマトリックス表からデータを抽出(エクスポート)する方法を紹介します。
マトリックス表作成の目的は、「ほしい情報をほしい形で表示する」ことですので、この状態でデータをcsvなどでエクスポートしたい場面があります。
そんな時は、表を選択して右上に現れる「…」からデータのエクスポートが可能です。

グラフを選択すると現れる「↑」「↓」「↓↓」「…」などのアイコンは、ドリルダウンなどの便利な機能です。この中で「…」はデータをエクスポートしたり、グラフのデータ順の並べ替えができるアイコンになります。
▶PowerBIで必須機能のドリルダウンの設定方法、データの深掘り
【結論】マトリックス表の「…」からデータをエクスポートできる!
PowerBI マトリックス表の使い方 まとめ
今回はPowerBIでのマトリックス表の作成方法を説明しました。
ポイントは下記の4点です。
・PowerBIの「マトリックス」は
列と行両方に項目を追加でき、階層も設定できる
・マトリックス表の小計、合計の非表示方法
・セル要素から条件付き書式を設定することで、
マトリックス表をヒートマップ的に見える化できる
・マトリックス表をそのままエクスポートする方法
PowerBIでダッシュボードの作成時には、テーブルやマトリックス表を作成して、データを整理することが多いです。必要なデータのみを分かりやすい表で表示する「マトリックス」の使い方をぜひ、マスターしてみてください!
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