今回は前回のPowerBI内に作成したテーブルに、”メジャー”と”新しい列”を使って割り算し「利益率」をパーセントで表示させるデータ加工方法を紹介します。”メジャー”や”新しい列”はPowerBI内でDAX関数を用いてデータを組み合わせて、分析したいデータを作成できるので非常に便利です。
条件付き書式を追加したテーブル作成は前回の記事をご参考にして下さい!
ゴール:メジャーと新しい列で利益率をパーセント表示
前回のテーブルに、”新しいメジャー”と”新しい列”の2パターンで「利益÷売上高」の「利益率」を追加し、条件付き書式を設定しています。

これさえ作っていれば、
データが増えても更新ボタンのワンクリックで
製造データなどの割合分析に非常に便利です。
PowerBIのメジャー、新しい列とは?
【メジャーとは?】
PowerBI内で計算式を作成し”データ加工”できるモノ
簡単に言えば、DAX関数というExcel関数みたいなもので式を書き、PowerBI内でデータ列を追加する感じです。すると、元データと同様にグラフ化に活用できます。
【新しい列との違いは?】
めちゃくちゃ似てて使い分け難しいですよね。
大きくは計算タイミングです。
・”新しい列”は表に関して計算式を追加
・”メジャー”はグラフに対して計算式を追加
つまり、”新しい列”はその名の通り、Excelでグラフ作成時にデータ列を追加してグラフ化するイメージです。”メジャー”は集計関数としてグラフに対して集計しています!
◆メジャーを使う上での注意点
・メジャーで式を書く時は集計関数を使う
例: = DIVIDE(SUM(‘生データ'[利益]),SUM(‘生データ'[売上高]))
・メジャーは集計関数のため、スライサーやフィルターは設定できない
難しいことを書きましたが、使ってみると簡単なデータ加工方法です!
今回は”メジャー”と”新しい列”の2つのパターンで割り算をして利益率を追加していきます!
PowerBIのメジャーを使ってデータ加工
新しいメジャーで割り算
それでは、メジャーを用いてデータ加工し、利益率を追加していきます!
前回、国、項目別の売上高と利益のテーブルグラフを追加し、条件付き書式でデータバーやアイコンの追加方法を紹介しました。

このグラフに”新しいメジャー”で「利益率」を作成し、テーブルに入れ込んでいきます。
「利益率」=「利益」÷「売上高」で計算できるので、”新しいメジャー”でDAX関数で割り算しデータ加工させてやればOKです!
◆新しいメジャーを追加
方法は下記の①②の2通りあり、どちらでもOKです。
方法①:ホームタブの「新しいメジャー」ボタンをクリック

方法②:フィールド(データ項目がある場所)でどこでもよいので「右クリック」⇒「新しいメジャー」

◆DAX関数の入力
DAX式の入力欄に
利益率メジャー = DIVIDE(SUM(‘生データ'[利益]),SUM(‘生データ'[売上高(割引後)]))
と入力します。今回は名前を「利益率メジャー」としました。

【DIVIDE関数】
= DIVIDE(分子,分母) でゼロ除算を自動的に処理してくれる割り算の関数です。
DAX関数のリファレンス
https://docs.microsoft.com/ja-jp/dax/dax-function-reference
フィールドに「利益率メジャー」が追加されています!

テーブル追加と条件付き書式の設定
追加された、「利益率メジャー」をテーブルに追加し条件付き書式を設定していきます。
◆テーブルに追加
「利益率メジャー」 をテーブルに追加します。

◆条件付き書式の追加
パーセントなので条件付き書式の「アイコン」を追加しました。
「条件付き書式」⇒「利益率メジャー」⇒「アイコンをオン」

設定が必要な場合は「詳細のコントロール」からできます。
PowerBIの新しい列を使ってデータ加工
新しい列で割り算
次に、同様に”新しい列”から「利益率」をデータ加工し追加する方法を紹介します!
◆新しい列を追加
「データ」アイコンからデータのページに切り替えます。

メジャーを追加した時と同様に、①②の2通りあります。
方法①:ホームタブの「新しい列」ボタンをクリック

方法②:フィールド(データ項目がある場所)でどこでもよいので「右クリック」⇒「新しい列」を選択

すると「列」という列が追加され、ここにDAX式を入力しデータを加工していきます。

◆DAX関数の入力
DAX式の入力欄に
利益率(列追加) = DIVIDE(‘生データ'[利益],’生データ'[売上高(割引後)])
と入力します。今回は名前を「利益率(列追加)」としました。

メジャーは集計関数を使う必要があるため、DIVIDEの中身をSUM関数で指定する必要がありましたが、新しいメジャーはこの表に関して計算式を追加するので、データ列を指定するのみでOKです。
ちなみに、データ列を指定する場合は、「’」シングルクォーテーションを入れると候補が出てきます!
データの一番右列に「利益率(列追加)」が追加され、フィールドにも表示されます!
テーブル追加と平均値への変更
それでは、レポート画面に戻ってデータ加工した「利益率(列追加)」をテーブルに追加し条件付き書式を設定していきます。
◆テーブルに追加
さっきと同様に「利益率(列追加)」 をテーブルに追加し、アイコンの条件付き書式を設定します。

しかし、各条件の利益率の合計が表示されおかしいですね。
こちらを「平均値」を表示するように変更していきます。
◆計算方法の変更(平均値)
フィールドからテーブルの値に追加した「利益率(列追加)」の「>」マークをクリック

すると、「合計」が指定されていることが分かります。これを「平均」に変更します。

利益率の平均が表示できました!

「平均」以外にも「中央値」や「最大値」などの欲しい情報を簡単に取得し、表示できるので便利ですね!
おわり
今回は”メジャー”と”新しい列”を用いたPowerBI内でのデータの加工を紹介しました。この2種類の方法をマスターすれば、BIツール内でグラフ化等の応用がきくので便利です。PowerBIの肝となる部分ですので、ぜひ参考にしてみて下さい!
PowerBIの使い方を下記記事でまとめていますので、ぜひご参考下さい!
リレーション、ドリルダウン、ヒストグラム、スライサーなど初歩の便利機能の使い方を紹介しています!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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