「DAX関数について学びたいが、どの関数で何ができるのかが分からない」「公式サイトでは構文がいまいち理解できない」といった悩みありますよね…。
そんな場合に、今回パワーピボットなどの新Excelのデータ分析で活用できる「よく使うDAX関数一覧」をまとめました。
【本記事で得られること】
・DAX関数について分かる
・DAX関数の構文が分かる
・DAX関数の機能や種類、使い方を理解できる
DAX関数はExcelに似た数式なので比較的簡単に学習できますが、セルではなく列を指定するなど、注意点もありますので、ぜひ本記事をご参考ください!
パワークエリやDAX、パワーピボットなどの新Excelの機能を使いこなすのは、現代の社会人には必須能力かと思います。個人的には、本で学びたい方は「モダンExcel」、動画で学びたい方はUdemyが一番勉強になりました。
個人的には、Udemyでの動画学習で実際に使いながら学ぶことで勉強になりました!
DAX関数とは? Excel関数との違い
DAX関数とはData Analysis Expressionsの略で、ExcelやPowerBIのデータ操作や計算、集計などを効率的に実行できる関数です。Excel関数に比べ、より複雑なデータ加工や計算に対応するために設計されたので、Excel操作を効率的に進めるには学習必須です!
DAX関数はExcel関数と似ていますが、下記の点が主な違いです。
◆DAX関数 VS Excel関数
このように、DAX関数はExcel関数に比べ、
・より効率的に高度な分析ができる
・PowerBIやPowerPivotなどの新Excel機能への活用ができる
点が大きなメリットです。
私は、Excel関数がセルを指定した計算に対し、DAX関数はデータ列を指定した計算というのが、最初なかなか慣れずに戸惑いました…。ただ、列さえ指定すればよいので、使い方が理解できるとDAX関数の方が一括操作でき、簡単である場面も多いです!
・新Excelの機能を効率的に使うには、DAX関数は必須!
・Excel関数との大きな違いはデータ列を設定する!
機能別のDAX関数の構文、使い方
本サイトでは、DAX関数の構文解説と使い方、事例紹介をまとめています。これだけ覚えていればOK!というDAX関数を機能別に一覧にしましたので、索引用にご活用ください!
◆機能別DAX関数の一覧
基本のDAX関数を理解すれば、組み合わせて活用することで色々なことに応用ができます!
機能 | 代表的な関数 |
数値関数 集計関数 | SUM, AVERAGE, MIN, MAX, COUNT, DIVIDE CALCULATE, SUMX, AVERAGEX, COUNTX, MINX |
文字列関数 | CONCATENATE, LEFT, RIGHT, LEN, FORMAT MID, SUBSTITUTE関, FIND |
日付関数 | YEAR, MONTH, DAY, TODAY, EOMONTH DATEADD, DATEDIFF, TOTALYTD |
論理関数 | IF, AND, OR, NOT, SWITCH |
テーブル関数 | FILTER, ALL, VALUES, RELATEDTABLE, RANKX CALENDAR, LOOKUPVALUE |
各DAX関数についての詳細な構文と使い方は下記以降をご参考ください。
DAX関数 数値/集計関数
数値関数は数値型のデータに対して計算を行う関数です。集計関数は、データの要約やグループ化など、データセットを操作した計算ができるDAX関数です。例えば、SUMが数値関数で、SUMXが集計関数という感じです。
SUM、SUMX関数
SUM関数は合計計算ができるDAX関数です。条件を満たした合計を求めるSUMIFS関数はDAX関数にはないので、CALCULATE関数と組み合わせる必要があります。
【SUMX関数 構文】テーブルや計算式を指定した合計
=SUMX(<table>, <expression>)
つまり、
=SUMX(テーブル, 計算式)
テーブル:任意のデータテーブルを指定
計算式:掛け算、引き算などの列同士の計算式を指定
◆できること
SUM、SUMX関数で売上などの合計を計算できます。また、CALCULATE関数と組み合わせれば、SUMIFS関数的に条件を追加した合計の計算が可能です。
◆詳細事例と使い方
SUM関数系の詳しい説明、事例は下記をご参考ください。
▶SUM、SUMX関数で合計、条件付き合計の計算
AVERAGE、AVERAGEX関数
AVERAGE、AVERAGEX関数は平均値の計算ができるDAX関数です。
【AVERAGEX関数 構文】テーブルや計算式を指定した平均
=AVERAGEX(<table>,<expression>)
つまり、
= AVERAGEX(テーブル,計算式)
テーブル:任意のデータテーブルを指定
計算式:掛け算、引き算などの列同士の計算式を指定
◆詳細事例と使い方
AVERAGE、AVERAGEX関数の詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶AVERAGEX関数で平均値の計算
COUNT系関数
COUNT系の関数は数値や文字列、日付、行数などをカウントできるDAX関数です。基本のCOUNT関数以外にも、COUNTX、COUNTROWS、COUNTBLANK、DISTINCTCOUNT関数などがよく使われます。
No. | 関数 | 説明 |
1 | Count | Count(列) 数値、文字列、日付などをカウント ※空白の数はカウントしない |
2 | CountA | CountA(列) Count Allの略で全てカウント |
3 | CountX | CountX(テーブル,計算式) テーブルはFILTER関数との組み合わせが多い |
4 | CountAX | CountAX(テーブル,式) CountAとCountXが合体したもの |
5 | CountRows | CountRows(テーブル) テーブルの行数をカウント 空白の数もカウントされる |
6 | CountBlank | CountBlank(列) 列の空白の数をカウント |
7 | DistinctCount | DistinctCount(列) 重複削除したカウント |
8 | DistinctCountNoBlank | DistinctCountNoBlank(列) 空白を無視(NoBlank)して 重複削除したカウント |
【COUNT関数 構文】カウント、空白はカウントしない
=COUNT(<column>)
つまり、
=COUNT(列)
空白以外の数値、文字列、日付などをカウント
【COUNTX関数 構文】テーブルや計算式を指定したカウント
=COUNTX(<table>,<expression>)
つまり、
= COUNTX(テーブル,計算式)
テーブル:任意のデータテーブルを指定
計算式:列同士の計算式を指定
【COUNTROWS関数 構文】テーブルの行数をカウント
=COUNTROWS([<table>])
つまり、
= COUNTROWS(テーブル)
テーブル:任意のデータテーブルを指定
テーブルの行数をカウントするので、任意のテーブルに変えることができる、FILTER関数との組み合わせる場合が多い
【DISTINCTCOUNT関数 構文】重複を削除してカウント
=DISTINCTCOUNT(<column>)
つまり、
=DISTINCTCOUNT(列)
指定した列の重複を削除してカウント
◆詳細事例と使い方
COUNT系関数の詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶COUNT系関数で色々な条件でのカウント計算
▶DISTINCTCOUNT関数で重複削除した行数のカウント
MAXX、MINX関数
MAXX、MINX関数は条件を追加した最大、最小ができるDAX関数です。MAX、MIN系の関数には主に下記の種類があります。
No. | 関数 | 説明 |
1 | MAX | MAX(列) 指定した列の最大値を返す |
2 | MIN | MIN(列) 指定した列の最小値を返す |
3 | MAXX | MAXX(テーブル,式) 指定したテーブルと計算式の最大値を返す テーブルはFILTER関数と組み合わせできる 式はSUMなどの計算式を指定できる |
4 | MINX | MINX(テーブル,式) 指定したテーブルと計算式の最小値を返す テーブルはFILTER関数と組み合わせできる 式はSUMなどの計算式を指定できる |
5 | MAXA | MAXA(列) 指定した列の最大値を返す MAX関数と異なり数値型以外の列も使える |
6 | MINA | MINA(列) 指定した列の最小値を返す MIN関数と異なり数値型以外の列も使える |
【MAX、MIN関数 構文】最大、最小
=MAX(<column>)
=MIN(<column>)
つまり、
=MAX(列)
=MIN(列)
指定した列の最大/最小値を返す
【MAXX、MINX関数 構文】テーブルや計算式を指定した最大、最小
=MAXX(<table>,<expression>)
=MINX(<table>,<expression>)
つまり、
= MAXX(テーブル,計算式)
= MINX(テーブル,計算式)
テーブル:任意のデータテーブルを指定
計算式:列同士の計算式を指定
◆できること
MAXX、MINX関数とFILTER関数を組み合わせれば、売上最大の日や商品などの条件を追加した最大、最小の計算ができます。
◆詳細事例と使い方
MAX、MIN系関数の詳しい説明や、FILTER関数と組み合わせたメジャー作成の事例は下記をご参考ください!
▶MAXX、MINX関数で条件を追加した最大、最小値の計算
DIVIDE関数
DIVIDE関数は割り算ができるDAX関数です。
【DIVIDE関数 構文】割り算
=DIVIDE(<numerator>, <denominator> [,<alternateresult>])
numerator :分子
denominator :分母
alternateresult:0による除算がエラーになった時に返す値
つまり
= DIVIDE(分子,分母, 0)
でゼロ除算を自動的に処理してくれる割り算ができる
◆できること
DIVIDE関数で売上、利益データから利益率メジャーの作成などができます。
◆詳細事例と使い方
DIVIDE関数の詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶DIVIDE関数で割り算し利益率の計算
RANKX関数
RANKX関数は順位を返すDAX関数です。
【RANKX関数 構文】指定した式の順位を返す
RANKX(<table>, <expression>[, <value>[, <order>[, <ties>]]])
つまり、
RANKX(①テーブル, ②計算式, ,③降順/昇順, ④同一順位の設定)
・①テーブル:任意のデータテーブルを指定
・②計算式:順位付けする値の計算式、基本はメジャーを指定
・value:別の列を参照して順位付けする場合に使う。基本は省略
・③降順/昇順:降順/昇順であるDESCかASCを指定
DESC:descending order、ASC:ascending order
・④同一順位の設定:SkipかDenseで同じ値の場合の対応を指定
※value、③order、④tiesは省略可能
◆できること
RANKX関数で売上の大きい順や降順や昇順、同じ値の場合の対応を設定したメジャーを作成できます。
◆詳細事例と使い方
RANKX関数の詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶RANKX関数で順位付け
CALCULATE関数
CALCULATE関数はDAX関数の中でも最も重要と言ってよい関数です。指定した条件やフィルターを適用して、計算ができる超便利で汎用性の高いDAX関数です。ExcelでいうSUMIF、AVERAGEIF、COUNTIF関数にあたる「条件を満たす計算」をする場合に必要です!
【CALCULATE関数 構文】条件を指定したデータ計算ができる
=CALCULATE(<expression>[, <filter1> [, <filter2> [, …]]])
つまり、
= CALCULATE(式,フィルター①,フィルター②,…)
フィルター箇所に複数条件を追加して計算できる
◆詳細事例と使い方
CALCULATE関数の詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶CALCULATE関数で条件付きの計算
DAX関数 文字列関数
文字列関数はテキストや文字列データを操作する関数で、文字の連結や変換、切り取りなどができます。
LEFT、RIGHT、MID関数
LEFT、RIGHT、MID関数は指定した文字を抽出できるDAX関数です。
【RIGHT関数 構文】右から文字数を指定して抽出
=RIGHT(<text>, <num_chars>)
つまり、
=RIGHT(データ列,抽出したい文字数)
【MID関数 構文】指定した位置から文字数を指定して抽出
=MID(<text>, <start_num>, <num_chars>)
つまり、
=MID(データ列,抽出したい先頭文字の位置,抽出したい文字数)
◆できること
LEFT、RIGHT、MID関数で任意の文字を抽出できます。
◆詳細事例と使い方
LEFT、RIGHT、MID関数の詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶LEFT、RIGHT、MID関数で文字の抽出
LEN関数、FIND関数
LEN関数は文字数を取得でき、FIND関数は指定した検索する文字までの文字数を取得できるDAX関数です。
【FIND関数 構文】検索する文字までの文字数を取得
=FIND(<find_text>, <within_text>[, [<start_num>][, <NotFoundValue>]])
つまり、
=FIND(”①検索文字” , ②データ列,③,④)
③:検索を開始する文字数
④:検索文字が見つからない場合に返す値
③④は省略可能
例えば、スラッシュ「/」までの文字数を取得する場合は、
=FIND(”/” , ’データ列)
SUBSTITUTE関数
SUBSTITUTE関数は指定の文字を変換できるDAX関数です。
【SUBSTITUTE関数 構文】指定の文字を変換
=SUBSTITUTE(<text>, <old_text>, <new_text>, <instance_num>)
つまり、
=SUBSTITUTE(データ列,変換前の文字,変換後の文字,変換する番号)
例えば、2個目のスラッシュ「/」を「▲」に変換する場合は、
=SUBSTITUTE(‘データ列 , ”/” , ”▲” , 2)
◆できること
例えば、SUBSTITUTE関数で2個目の「/」を「▲」などに変換し、それをFIND関数で文字数を取得してRIGHT関数で指定の文字を抽出しています。
詳細は下記記事でも説明していますので、ご参考まで!
▶SUBSTITUTE、FIND、RIGHT関数を用いた文字列の抽出
DAX関数 論理関数
論理関数は条件付きの計算や、複雑な論理判断に使用できる関数です。条件を設定して、データの選択や条件の組み合わせができます。
IF関数、AND/OR/NOT関数
IF関数は条件を設定した計算ができるDAX関数です。AND、OR、NOT関数と組み合わせることで、複数条件を設定したIF構文を作成できます。
【IF関数 構文】
=IF(<logical_test>, <value_if_true>, <value_if_false>)
logical_test:評価する式(条件式)
value_if_true :条件に当てはまる場合に返す値
value_if_false:条件に当てはまらない場合に返す値
つまり
= IF(条件式,条件に合う場合に返す値, 合わない場合に返す値)
IF関数に複数条件の設定する方法は下記3つとセットで使います。
・AND関数、&&
→すべての条件を満たす場合(○○かつ○○)
・OR関数
→一つでも条件を満たす場合(○○または○○)
・NOT関数
→その条件を満たしてない場合(○○以外、○○ではない)
▶(参照)Microsoft DAX関数 AND
▶(参照)Microsoft DAX関数 OR
▶(参照)Microsoft DAX関数 NOT
◆詳細事例と使い方
IF関数で条件の設定、複数条件の設定の事例紹介をしています。詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶IF関数の使い方、複数条件の設定方法
DAX関数 日付関数
日付関数は日付データの計算、抽出、比較ができるDAX関数です。日付条件を設定した計算をする際には必須のDAX関数です。
FORMAT関数
FORMAT関数は日付などを指定された形式で変換できるDAX関数です。フォーマットを指定することで、日付、時刻、%、小数点以下の桁数など、さまざまな変換ができます。
【FORMAT関数 構文】指定した書式に変換
=FORMAT(<value>, <format_string>)
つまり、
=FORMAT(日付列,”カスタム文字”)
日付列を指定した書式に従って変換
◆よく使うカスタム文字の参考表
カスタム文字を変えることで、四半期や時間などの表示に変換できます。
カスタム文字 | 詳細説明 |
dd | 先頭に0をつけた日 |
ddd | 省略英語曜日(Sun-Sat) |
mm | 先頭に0をつけた月 |
mmm | 省略英語月(Jan-Dec) |
q | 四半期(1-4) |
yyyy | 年4桁(例:2023) |
yy | 年2桁(例:23) |
ttttt | 時刻 |
hh | 先頭に0をつけた時間(00-23) |
nn | 先頭に0をつけた分(00-59) |
ss | 先頭に0をつけた秒(00-59) |
◆詳細事例と使い方
FORMAT関数の詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶FORMAT関数で日付の変換
DATEDIFF関数
DATEDIFF関数は日付間の差分を取得できるDAX関数です。
【DATEDIFF関数 構文】日付間の差分を取得
=DATEDIFF(<Date1>, <Date2>, <Interval>)
つまり、
=DATEDIFF(開始日付,終了日付,間隔)
・開始、終了日付:日付列などを指定
・間隔:比較するときに指定する間隔
year、quarter、month、week、day など
2つの日付の差分を指定した間隔で計算できる関数
◆できること
DATEDIFF関数を使えば、リードタイム(LT)、仕掛り日数の計算などが簡単に計算できます。
◆詳細事例と使い方
DATEDIFF関数の詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶(基礎編)DATEDIFF関数で指定した日数や月数を足し算、引き算
▶(応用編)DATEDIFF関数で日付間の差分を計算(仕掛り日数の把握)
DATEADD関数
DATEADD関数は日付から指定した数値を引いたり、足したりできる関数です。その名の通り、DATEである日付を、ADD(足したり引いたり)できる関数と覚えておきましょう!
【DATEADD関数 構文】日付の加算、減算
=DATEADD(<dates>,<number_of_intervals>,<interval>)
つまり、
=DATEADD(日付列,数値,間隔)
日付:日付列などを指定
数値:1年前を指定したい場合は「‐1」、2か月前なら「-2」
間隔:year、quarter、month、day などの間隔を指定
指定した数値を、設定した日付間隔で足したり引いたりできる
例えば、
DATEADD(日付列,‐2,YEAR) :2年前
DATEADD(日付列,‐1,MONTH):1ヵ月前
DATEADD(日付列,‐1,DAY) :前日、1日前
と、前年比や前月比などの分析に大活躍します。
◆詳細事例と使い方
DATEADD関数の詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶DATEADD関数で前年/前月/前日比の計算
EOMONTH関数
日付の月末日や月初日を取得できる関数です。
【EOMONTH関数】
日付の月末日を計算する関数
・構文
EOMONTH(<start_date>, <months>)
=EOMONTH(日付,月数)
日付:日付列を指定
月数:何か月後、前の月末を表示したいか
つまり、
指定した月数後や前の月末日を表示できる
例えば、
= EOMONTH(日付列,0) で月末日を取得
= EOMONTH(日付列,2) で2ヶ月後の月末日を取得
= EOMONTH(日付列,0)+1 で月初日を取得
TOTALYTD関数
TOTALYTD関数は年リセットした累積計算ができるDAX関数です。
【TOTALYTD関数 構文】年リセットの累積計算
=TOTALYTD(<expression>,<dates>[,<filter>][,<year_end_date>])
つまり、
=TOTALYTD(式, Dates, [フィルター], [YearEndDate])
・式:SUMなどで売上合計などの式を指定
・Dates:日付テーブルの日付を指定
・フィルター:適用するフィルター、省略可
・YearEndDate:リセット日付、規定は12/31、省略可
年でリセットされる累積計算ができる
例えば、
TOTALYTD(SUM(‘売上列),’日付列)
で、年リセットされた売上合計を取得できます。
◆詳細事例と使い方
TOTALYTD関数を使った累積合計の計算メジャー作成の詳しい事例は、下記をご参考ください。
▶TOTALYTD関数で累積合計の計算
DATESINPERIOD、DATESBETWEEN関数
DATESINPERIOD関数は指定した期間内の日付データを抽出でき、DATESBETWEEN関数は指定した範囲内の日付を抽出できるDAX関数です。2つの使い勝手はほぼ一緒で、移動平均などを求める際によく使われます。
【DATESINPERIOD関数 構文】期間内の日付データを抽出
=DATESINPERIOD(<dates>, <start_date>, <number_of_intervals>, <interval>)
つまり、
=DATESINPERIOD(日付列, 開始日, 期間の数, 間隔)
日付列:日付テーブルの日付列を指定
開始日:期間の開始日
期間の数:例えば30日前だと、-30を指定
間隔:year、quarter、month、day などの間隔を指定
どの期間分のデータを抽出するかを設定すればOK!
【DATESBETWEEN関数 構文】範囲内の日付データを抽出
=DATESBETWEEN(<dates>, <start_date>, <end_date>)
つまり、
=DATESBETWEEN(日付列, 開始日, 終了日)
日付列:日付テーブルの日付列を指定
開始日:期間の開始日
終了日:期間の終了日
開始日と終了日の間の期間を抽出!
◆詳細事例と使い方
DATESINPERIODやDATESBETWEEN関数を使えば、移動平均のメジャーが簡単に作成できます。詳しい説明や、事例は下記をご参考ください。
▶DATESINPERIOD、DATESBETWEEN関数で移動平均
DAX関数 テーブル関数
テーブル関数はデータのフィルタリング、抽出などができるDAX関数です。テーブル関数で任意のテーブルを作成し、計算式に入れ込むことで応用が処理ができます。
FILTER関数
FILTER関数はその名の通り、データにフィルターをかける関数です。欲しいテーブルの抽出ができるので、条件付きの計算をするうえで非常に重要です!
【FILTER関数 構文】テーブルにフィルターをかける関数
=FILTER(<table>,<filter>)
つまり、
=FILTER(テーブル,フィルター)
指定したデータテーブルにフィルターをかける関数
◆詳細事例と使い方
例えば、
=FILTER(テーブル, 購入数列 >=3)
ですと、購入数が3個以上データテーブルを抽出できます。
FILTER関数の詳しい説明、事例は下記をご参考ください。
▶FILTER関数でテーブルを抽出し、条件付きの計算
SUMMARIZE関数
SUMMARIZE関数は要約テーブルを作成できるDAX関数です。数値計算した要約テーブルや、複数データを統合した要約テーブルを簡単に作成できます。
【SUMMARIZE関数 構文】要約テーブルの作成
=SUMMARIZE(<table>, <group_by_column1>, <group_by_column2>, …, <aggregate_expression1>, <aggregate_expression2>, …)
つまり、
=SUMMARIZE(①表, ②グループ化する列, ③列の名前, ④計算式)
①表:要約したい元のデータテーブル
②グループ化する列:要約列、重複削除された項目で表示
③列の名前:任意の名前を””で囲む
④計算式:SUMやAVERAGEなどの計算式
※②③④は複数の列を繰り返し使用できる
◆詳細事例と使い方
SUMMARIZE関数を使えば、膨大なデータから商品別や月別に抽出した要約テーブルを簡単に作成できます。
SUMMARIZE関数の詳しい説明、事例は下記をご参考ください。
▶SUMMARIZE関数で要約テーブルの作成
ALL関数
ALL関数はフィルターを解除できるDAX関数です。「ここは計算させたくない!」などの場面で大活躍します。
【ALL関数 構文】フィルターを解除
=ALL( [<table> | <column>[, <column>[, <column>[,…]]]] )
つまり、
=ALL(テーブル,列)
フィルターをかけたくないテーブルまたは列を指定
◆詳細事例と使い方
ALL関数系の詳しい説明、事例は下記をご参考ください。ALLSELECTED、ALLEXCEPT関数についても解説しています。
▶ALL関数でフィルターを解除した計算(ALLSELECTED/ALLEXCEPT)
CALENDAR関数
CALENDAR関数はカレンダーテーブルが自動作成できるDAX関数です。特に、データの日付期間から自動でカレンダーテーブルを作成するCALENDARAUTO関数は、必須レベルに重要です!
【CALENDAR関数 構文】カレンダーテーブルの作成
=CALENDAR(<start_date>, <end_date>)
つまり、
=CALENDAR(開始日,終了日)
開始日から終了日までのカレンダーテーブルを作成
例:CALENDAR(“2019/01/01″,”2022/12/31”)
【CALENDARAUTO関数 構文】カレンダーテーブルの自動作成
=CALENDARAUTO([fiscal_year_end_month])
つまり、
=CALENDARAUTO()
データの最も古い日付と最も新しい日付の間のカレンダーテーブルを自動作成。取り込んだ生データに基づいて自動的に期間が設定される。
◆詳細事例と使い方
CALENDARAUTO関数を使って、カレンダーテーブルの自動作成ができます。テンプレートコード公開中ですので、下記記事をご参考ください。
LOOKUPVALUE関数
LOOKUPVALUE関数は、Excel関数のVLOOKUP関数に似たデータを連携するDAX関数です。キー項目でデータを連携させる場合に使います。
【LOOKUPVALUE関数 構文】データの連携
=LOOKUPVALUE(
<result_columnName>,
<search_columnName>,
<search_value>
[, <alternateResult>] )
つまり、
= LOOKUPVALUE(
①返す値,
②検索キー,
③追加する側の検索キー,
④検索が無かった場合に返す値)
※④は省略可
◆詳細事例と使い方
LOOKUPVALUE関数の詳しい説明、事例は下記をご参考ください。
▶LOOKUPVALUE関数でデータの連携
DISTINCT関数
DISTINCT関数は重複削除ができるDAX関数です。重複削除した状態での行の数や合計の計算に活用できます。
◆詳細事例と使い方
DISTINCT関数、COUNTROWS関数を組み合わせて、重複削除した行を計算する事例を紹介しています。
よく使うDAX関数まとめ
今回よく使うDAX関数を索引用に一覧にまとめました。
DAX関数は組み合わせることで、より高度な計算が可能となり、PowerBIや新Excelで大活躍します。本記事で各DAX関数についての理解を深め、日々のデータ分析にご活用ください!
下記でpowerQueryやPowerBIの便利機能をまとめています!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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