今回はPowerBIのリレーションシップを解説します。複数のテーブルとデータの結合ができる優れもの。Excel関数でいうところのVLOOKUP関数などを使わなくても、ワンクリックで簡単にデータの連携ができる「よく使う機能」です!
・リレーション画面で繋げたいキーをドラック&ドロップ
・マスタとの連携は多対1で単一方向が良い
・データが重くなりにくいデータ連携方法
PowerBIを使わないExcel機能であるパワーピポットを使ったリレーション方法は下記記事をご参考ください!
▶【VLOOKUP不要!】Excelのリレーション機能で複数テーブルの連携(パワーピポット)
ゴール:リレーションシップでデータを結合し目標線を追加
下記のような、各製品の利益グラフに対して、
リレーションシップ機能を用いて、それぞれ目標の横線が入るようにします。
これさえ作っていれば、データどうしを連携し、
各目標に対して勝っているか?負けているか?
を簡単にデータ更新できます!!
PowerBI リレーションで連携(準備)
まずは、PowerBIにデータを取り込み、グラフ化しています。
【関連記事】
▶PowerBIのインストールと最新バージョンへのアップデート方法
▶PowerBIでデータの取り込みとグラフ化
今回も使用するデータはPowerBIの公式サイトからダウンロードできる下記のデータ。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/power-bi/create-reports/sample-financial-download
続いて、このデータをPowerBIに取り込んでいきましょう。
①PowerBIの立ち上げ
②「データの取得」→「Excel」をクリック
データの取得(インポート)として、
今回は元データがExcelなのでExcelをクリック!
③取得したいExcelデータがあるフォルダを選択
④取り込みたいシートにチェックを入れる
チェックを入れると、プレビューが表示されます。
「読み込み」をクリック!
PowerBIへのデータの取り込みは完了です!
続いて、製品別の利益合計のグラフを作成していきます。
◆製品別の利益グラフの作成
「視覚化」のグラフから①「折れ線グラフおよび積み上げ縦棒グラフ」を選択します。
②共通の軸⇒「製品」
③各棒の値⇒「利益」 を入れます。
すると、製品別の利益グラフが完成します!ここまでは、ただの縦棒グラフ作成ですね!
このグラフに利益目標シートをリレーションでつなげて、各製品ごとの目標値を入れていきます!
PowerBI リレーションでデータの連携
そもそもリレーションとは?
「複数のデータを連携し、集計に必要な情報を一つのデータベースにまとめること」です。企業には今回の利益、売上情報とは別に、各目標のシートが別にあったりします。それを関連付けて、一つのデータにしちゃおう!ということです。PowerBIではリレーションシップという機能があり、それを使えば複数のデータをマージ(結合)していくことができます!
【リレーションするデータの取り込み】
それでは、下記のような各製品ごとの目標値シートを
リレーションでくっつけていきましょう。
この利益目標のデータを先ほどと同様に取り込みます。
すると、「フィールド」に先ほど取り込んだデータとは別に、「利益目標」のデータが表示されます。
これだと、まだ「利益目標」と「生データ」は何も関連がありません。
【リレーションシップでデータの結合】
「利益目標」と「生データ」を関連付けるために
リレーション機能でデータ同士を連携させていきます。
左の「モデル」をクリックしリレーションできるページを開く
※ここに取り込んだデータが入っているので、
連携のキー列を指定してリレーションを組んでいきます。
リレーションを組む時のポイントは何をキーにデータを繋げたいか?
を考えることです。
今回は”製品”をキーにデータを結合したいので、
「利益目標」の”製品”と「生データ」の”製品”をリレーションします!
リレーションのやり方は下記のようにドラック&ドロップのみ!
これで、「生データ」と「利益目標」のデータは”製品”というキーでリレーションできました!!後は、このデータを使ってグラフに目標値を入れていきます!
PowerBIでリレーションは繋げたいキーをドラック&ドロップするだけ!
複数データがあってもOK。色々なデータを連携して分析できる!
リレーションシップの設定(多対一、単一など)
リレーションの「▶」をダブルクリックすると、リレーションシップの編集ができます。どのような関連でデータが繋がっているかを確認できます。
矢印:
基本はカーディナリティ:多対一、クロスフィルターの方向:単一で生データと条件表を連携すればOKです。
【カーディナリティ】
連携するデータ同士の関係を設定できます。
多対1
条件表みたいな繋げたいキーワードが一つで構成されているテーブルと、複数キーワードが入っている生データを繋げる場合に使う。最も一般的な方法です。
一対一
どちらもキーワードが一つだけで構成されているデータどうしを繋げる場合に使います。
多対多
複数のキーワードどうしのデータを連携する場合に使います。
今回の場合、「生データ」の”製品”はたくさんありますが、「利益目標」のデータには”製品”は一個づつしかありません。なので”多対一”の関係で繋げればOKです。
「クロスフィルターの方向」
データの連携の方向を設定できます。単一設定をおススメします。
単一
「マスタテーブル(条件表など)」を軸に入れてグラフを作らないと「データテーブル(生データ)」と連動しません。
双方向
「データテーブル」だけでグラフを作っても連動します。しかし、エラーの原因になるので推奨しません。
今回はマスタテーブルが「利益目標」、データテーブルが「生データ」なので、クロスフィルターを「単一」にした場合は、軸にマスタテーブルである「利益目標」の”製品”を入れる必要があります。
リレーションしたデータからグラフに目標値を入れる
リレーションした「利益目標」のデータをグラフに入れていきましょう。
レポートの画面に戻って、先ほど作成したグラフをクリックして、
共通の軸:利益目標の”製品”
線の値 :”利益目標”
を入れます。
※ここで共通の軸に元々入っていた「生データ」の”製品”ではなく、新たに追加してリレーションしたマスタテーブルである「利益目標」の”製品”を入れるのは、リレーションの編集で説明したクロスフィルターが「単一」設定しているからです!
これだと入れた利益目標がカウントになっており、数値を拾ってきてないので「合計」に変えます。
すると、目標線を入れ込むことができました!
あとは、「書式」から体裁を整えていけばOKです!
今回変更した書式は下記の点です。
「図形」⇒「マーカーの表示オン」
「マーカーの図形」⇒「-」
「マーカーの色」⇒「赤」
「マーカーサイズ」⇒20
「ストローク幅」⇒0
上記で設定すれば完成です!
各製品に対する、利益目標をリレーションシップ機能を使って入れ込むことができました!
【関連記事】
▶PowerBIでグラフ作成、積み上げ棒グラフ/折れ線グラフの作成
▶PowerBIでグラフ軸の設定、階層の設定方法
PowerBI データ連携の種類と特徴
PowerBIでデータ連携の方法は下記の①~③があります。
①LOOKUPVALUE関数
②リレーション(今回紹介!)
③クエリのマージ
今回の②リレーションを用いた方法は、
・キーどうしをドラック&ドロップするだけで簡単
・データ容量が重くならない
とメリットが多いので、連携しようと思ったらまずは「リレーション」を試してみるのがよいかと思います。
詳しくは下記の関連記事でまとめていきますので、ぜひご参考ください!
【関連記事】
▶DAX関数でVLOOKUP関数的にデータを連携する方法(LOOKUPVALUE関数)
▶重いPowerBIのデータ処理を速くする方法7選
▶PowerBIのクエリのマージ機能でデータを連携
PowerBI リレーションまとめ
今回はPowerBIのデータ連携であるリレーションシップ機能を紹介しました。
【リレーションシップまとめ】
・リレーション画面で繋げたいキーをドラック&ドロップ
・マスタとの連携は多対1で単一方向が良い
・データが重くなりにくいデータ連携方法
リレーションの画面で、キー列どうしをドラック&ドロップで連携させるだけです。PowerBI内で複数のデータも簡単に連携でき、非常に便利です!私もExcelで色々なデータをVLOOKUPで紐づけて、
時間のかかるデータ分析をしていました…。PowerBIでリレーションを組むと、簡単にできるので業務効率化に繋がりました!
PowerBIの便利機能やDAX関数、効率的な学習方法をまとめています!ご参考ください!
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